ピーター・アイビーさんのおもてなしバトン

第二走者 川崎淳与さん

第三走者 ピーター・アイビーさん 第四走者 入江亮子さん

日本在住11年。同じくガラス作家の妻、子ども2人と共に富山に在住。全国で個展を開催する。日常の中で、ふと心地よさに気づくような穏やかで存在のあるガラス器を制作する。
http://peterivy.com/

日本料理の五味五法五色を研究する「温石会」主宰。四季をいかした懐石を教えるほか、茶事の出張料理も行っている。 また、利酒師・日本酒学講師・酒匠として、日本酒と料理のマリアージュも数多く提案。
http://moon.ap.teacup.com/onjakukaitop/

ピーター・アイビーさんが選んだのは「再仕込しょうゆ」


「淳与さんから
こんな大きなキャンドル!
楽しいね」

醤油って、あの“Soy Sauce”でしょ?!

日本に移り、ガラスの制作活動を始めた約十年前、いち早くピーターさんの作品力を理解し、長い付き合いになる川崎淳与さん。そんな川崎さんから届いた文右衛門蔵とオリジナルレシピ。「淳与さんの野菜巻き豚肉、おいしそう。きっとあっという間になくなるね」とピーターさん。「私は素材やドレッシングを変えてよくサラダを作りますから、次の入江さんのために…」と手にしたのは文右衛門蔵「再仕込しょうゆ」。

子どもが生まれて料理をするようになり、醤油を使うことももちろんあるが、醤油は海外では“Soy Sauce”、つまり一種類の味しかないと思っていたピーターさんはびっくり。その初体験はいかに?


代表作の一つ、
遊び心あるtsunoカップ


調味料や薬味入れにもトライ

アメリカを離れ11年。すっかり日本の暮らしに溶け込んでいるピーター・アイビーさん。

日々の生活の中で、自分が必要だと感じることからピーターさんの作品は生まれるという。例えば、近所の人たちからお裾分けされた野菜がいっぱいになり、傷む前にピクルスにしてしまおうと作ったのがJar(保存瓶)。いまや展覧会では人気作品だ。
また、ピーターさんは身の回りの小さなものから車まで、たいていは自分で直してしまう。納得のいく作品を作り出すために自分で窯を改良することも当たり前。

そうやって自分の感覚を大切にした日常の静かな積み重ねは、彼いわく<美しい経験>、五感に響いていく。「function(機能)から入るのでなく、全て体験が大事と思います。そして遊び心もね」。

日本に住み、味の豊かさに触れた。アメリカ人にとってお米は無味。だから味付けという“混ぜる”発想になるそうだ。「日本人は、お米自体を美味しいと感じるし、素材の“レイヤー(重なり)”で食の豊かさを楽しんでいますね」。“混ぜる”と“重ねる”の微妙な違い。日本人には当たり前すぎて、改めて言われてみると、なるほど、と思う。

「古くからある自然の恵みへの敬いが育んだ文化で、味に対しても<美しい経験>があるからですね」。

さて、再仕込しょうゆを試したピーターさん、「醤油は『Soy Sauce』というひとつの味しかないと思っていた!」と驚嘆。
そして、作ったドレッシングはごま油、ヨーグルトなどを加え、そのアレンジがユニークだ。
「醤油は“icing on the cake”(“すでに満足しているところへさらなる喜びが付加される”)。つまり料理もスペシャルだけど、醤油の遊びが全体を引き立てるでしょ」。醤油に対して<美しい経験>をし、創作したドレッシング…さすがピーターさんならでは。アメリカと日本をまたぐ味になっている。


ユニークなアレンジの
ドレッシング


サーモンを炙るのに、
仕事場のバーナー登場

Peter'sドレッシングのサラダ(4人分)

☆材料 
 (A)再仕込しょうゆ…大さじ5
 (A)ごま油…大さじ1
 (A)おろし生姜…大さじ3
 (A)ヨーグルト…120cc
 サーモンスライス…約15枚
 塩…少々
 (野菜は好みのものを)
 プチトマト…5個(半切り)
 アボガド…1個(くし切り)
 フリルレタス…適量
 サラダほうれん草…適量
 スプラウト…適量

☆作り方
1)サーモンスライスに塩を振り、バーナーなどで炙る
2)野菜類は適当な大きさにして、器に敷く
3)焼いたサーモンとアボガドは交互におく
4)ドレッシングの材料(A)を合わせる
5)盛り付けた器にドレッシングを回しかける


ボリュームたっぷり彩りも鮮やか

「文右衛門蔵 再仕込しょうゆ」はいかがでしたか?

醤油にこんな奥深さあったなんて。香りの豊かさはワインの世界みたいだし、音楽だとボーカルの存在?時には優しく、時にはビートをきかせて…変化が面白いね。
違いを発見し、醤油の世界が楽しくなりました。

おもてなしバトンを入江亮子さんへ

私の住む富山は魚がおいしく、日本酒が好きになりました。

醤油文化の日本人が作る日本酒に合うレシピ、利酒師の入江さんはどんなものを提案してくれるか、楽しみ。
ところで今、シャンパンをおいしく飲むための専用グラスの制作にソムリエとトライしていますが、入江さんには日本酒に合うグラスの形状を聞いてみたいですね。

取材・文/山本詩野 写真/松本祥孝

あの人のおもてなしバトン 走者一覧へ

Facebookページに「いいね!」して、おいしいバトンの最新情報を受け取りましょう!