日和キッチンさんのおもてなしバトン

第九走者 パラダイス山元さん

第十走者 日和キッチン 天野美紀さん・高橋清美さん 第十一走者 加瀬まなみさん

・天野美紀さん
一級建築士事務所アトリエ・天工人、ブルースタジオを経て2010年に独立。デザイン事務所「株式会社アトリエイーゼロサン」を設立し、主に住宅・集合住宅のリノベーションを手掛ける。
震災後、縁あって石巻に入り2012年「一般社団法人ISHINOMAKI2.0」理事に就任。2013年「石巻のおウチごはんとジビエ料理のレストラン/日和キッチン」を開業し、東京・石巻の二地域居住を実践している。(日和キッチン http://www.hiyori-kitchen.com/
・高橋清美さん
2001年ドンク入社、2012年にficellパン教室を設立。2013年から日和キッチンの週末のシェフとしてベーカリーと、ジビエ料理を担当する。

埼玉県熊谷市出身。立教女子短期大学卒業、(株)リクルートエージェントに7年半勤務。
退職後、両親が在住しているスペインへ渡り、スペイン料理を学ぶ。帰国した年よりお料理の仕事を始め、現在はお料理教室講師を中心に活動中。
オフィシャルサイト[Muybien] で、初心者さんでも手軽に作れるオリジナルレシピを1000点以上掲載。

日和キッチンさんが選んだのは「だいだいポン酢」


贈られた
パラダイス山元さんの
餃子情熱に感嘆の声

人気ごはんや店主は“料理のできない建築家”

サンタクロース代表として被災地支援で石巻を訪れたことのある前走者パラダイス山元さんが、今度は餃子の王さまとしておいしいバトンを繋げたのは、笑顔が溢れる日和キッチン。
石巻に震災後、生まれた飲食店だ。

店主は、東京との二地域居住をする天野美紀さん、本業は住宅のリノベーションを手掛ける建築家である。隔週ペースで夜行バスに乗り、石巻のボランティアに通っていた時、到着は早朝。開いている店はなく、自身を含めボランティアの人たちにとっては活動前の時間をつぶすのにひと苦労だった。それがきっかけで自らが飲食店を作ることに。自称“料理のできない建築家”。パン教室主宰の高橋清美さんを始め、サポートしてくれる地元スタッフと共に、オープンから1年、今や多くの人に愛される「石巻のおうちごはん」やさんになった。

引き継いだバトンの「だいだいポン酢」を使ったレシピは、父親が漁師という高橋さんが小さい頃から目にしていた漁師めしにヒントを得たという一品。さて、どんなレシピの登場か。


お客さまの
「あったらいいな」の声で
DIYで作ったカウンター


ジビエも石巻の名物料理に
(編集部撮影)

「食う。寝る。笑う。まちづくり」それが日和キッチン

頻繁にボランティアに通っていた天野さんに、石巻商店街の呉服屋のおかみさんが、「これからは、着いたら勝手にあがって泊まっていいよ」と、快く自宅に招いて娘のようにもてなしてくれた。
初めて朝ごはんを頂いた時、あまりのおいしさにカルチャーショックを受けたという。
「地元の人は当たり前すぎて気づいていないんです。石巻はお米も水もおいしく、魚や野菜が豊富。居酒屋料理ではなく、おうちごはんをもっとみんなに知ってほしいなあと」。
“早朝から開いている店”“食材に恵まれた石巻の家庭料理を食べられる店”…「誰かやってくれたらなあ」と石巻に来るたびに思っていた天野さんの元に、3つ目のキーワードが舞い込んだ。

石巻の牡鹿半島に生息する鹿を獲って、食肉として流通にのせようと頑張っている地元の猟師さんと出会い、丁寧に処理された鹿肉の旨さに天野さんは開眼。
全国的に里山で問題となっている鹿の繁殖は、石巻も同様だった。が、鹿肉を食べる食文化は根付かず、提供する飲食店もなく、ジビエ料理の存在すら知らない石巻住民。
「地産地消に鹿肉を加え、ジビエ料理を提供したら、石巻の産業に貢献できる」。そう考えた天野さんはもう自分がやるしかないと2012年10月に決意、デザイナーの山崎百香さんと共に準備を始めた。

震災時には1m程度浸水したという空き店舗のへどろ除去から壁塗り、得意のDIYで空間づくり。料理面では地元のお母さん始め、強い味方が現れた。朝ごはん、ランチ、夜、それぞれの時間の担当者が腕を振るう。「日和キッチンに一目ぼれしたんです」という高橋清美さんも加わり、今や厨房に欠かせないメンバーになった。実の姉妹のように仲良しで、よく笑う二人。その笑顔に会いに来たくなる人も多いだろう。

「飲食店ができることで通りが賑わうんですよね。人が動くときの一番の口実は『あれ食べたいから、あそこに行こう』。飲食は誰でも楽しめて、人が集まるきっかけになりやすいと思います」と話す天野さんだが、よそものの天野さんと地元の人とでやっていることも良かったようだ。県の内外問わず、人の交流が豊かに育まれる。
「常連さんの中には復興関連の単身赴任のお父さんたちも。客層に早朝着くボランティアと地元の人は予測していましたが、これは盲点でした(笑)。朝昼晩と三食来てくださる方もいて『日和キッチンを作ってくれてありがとう!』と。ありがたいことです」。
訪れる人たちの顔を覚えると、「あの人は高血圧だから塩分控えめに、などと考えて出すときも」。ゆくゆくはケータリングや一人暮らしの人の健康に配慮したお弁当づくりもしたいと思いが膨らむ。

天野さんは、日和キッチンを立上げてコミュニティ形成の自然な流れに触れた。原動力は「石巻の魅力を伝えること」。建築家的目線の街づくりではなく「食う。寝る。笑う。まちづくり」が自分の命題だと観点がシフトした。

一周年を迎えた日和キッチンの手作りCMがある。
これは、復興に向けて頑張っている石巻の商店を応援するプロジェクトが手掛けたもの。
軽やかなメロディに乗って、日和キッチンを支えるメンバーの笑顔と優しい歌詞が流れる。
商店街に欠かせない存在として仲間入り。みんなに愛される日和キッチンは、被災地のみならず、地域コミュニティの衰退化が抱える「街の再生」という大きなテーマに一筋の光を見出している。


手早く作る
キヨミッティに
「味見役~」と頬ばるミキティ


タレの決め手に
だいだいポン酢


同年にグッドデザイン賞受賞
という不思議なご縁

文右衛門蔵がグッドデザイン賞を受賞した2013年に、街づくり部門で日和キッチンも受賞。不思議なご縁だ。どちらも「おいしい」で繋がる「うれしい」気持ち。
次ランナー加瀬まなみさんへと引き継ぐ一品には漁師町のエッセンスが加味されている。
「漁師にとって初物は縁起物。脂がのっていなくても食べるんです。そのときにマヨネーズと醤油を合わせます。おいしいけれどしつこい(笑)。調味をアレンジして、ワイン通の加瀬さんだから、ブルスケッタにしてみました」と高橋さん。隣では「味見係!」と堂々つまみ食いをする天野さん。日和キッチンに今日もまた明るい笑い声が響く。

「スモーク鰹のブルスケッタ」(4人分)

☆材料 
スモークした鰹 1柵(約300g)*鰹のたたきでもOK
ミニトマト 6個
バジル 適量
A だいだいポン酢 大4
おろしにんにく 小1
オリーブオイル 大3

カンパーニュ 適量 *フランスパンでもOK
サワークリーム 適宜

☆作り方
1)スモークした鰹を3cm角に切る
2)ミニトマトは湯剥きし半分に切る。バジルは手でちぎる
3)Aを合わせ、1、2を加え、冷蔵庫で冷やす
4)カットしたカンパーニュを軽くトーストする
5)4に3とサワークリームをのせて完成

*鰹のスモークの仕方
①鰹は直前まで冷やしておく
②鰹の水分をよく拭き取り、表面に塩を振る
③深みのあるフライパンにアルミホイルを敷き、燻製チップ(ふた握り)とザラメ(大2)を良く混ぜて平らに敷く
④強火にかけ、煙が出てきたらその上に網を置き、①の鰹を並べ、蓋をする。
表面が色づくまで弱火で両面で約5分スモークする
⑤すぐに冷凍庫に入れ、約10分。その後冷蔵庫に入れ直し保存する。


だいだいポン酢ダレがたっぷり染み込んだ鰹。

「文右衛門蔵 和のソース」はいかがでしたか?

酸味、香りがしっかり立っていますね。
他のポン酢より酸味が効いているので、魚の臭みも消えます。
料理に使う時、塩や酢を余分に加えなくても十分味が整っていると思いました。

おもてなしバトンを加瀬まなみさんへ

常連さんなど石巻の仲間たちが集った日和キッチンよりバトンをどうぞ!今回はイタリア料理のブルスケッタにしましたが、スペイン料理が得意の加瀬さんがどうアレンジするか気になります~。


石巻の仲間 今野英樹さん

☆次の加瀬さんへレシピと共に贈られるのは、石巻の雄勝石を使ったプレート。石巻の今野梱包さん(代表の今野英樹さん)によるレーザー加工で日和キッチンのロゴがキラリ。

●お知らせ2014年6月13日(金)~7月19日(土)
宮城県石巻にある復興BARが期間限定で銀座にOPEN!
石巻や被災地の方々をはじめ、復興に携わる様々な顔ぶれが
1日マスターとして皆様をおもてなし致します。

もちろん日和キッチンも7月9日・10日に!

復興BAR銀座店 facebookページ
https://www.facebook.com/fukkoubarginza

取材・文/山本詩野 写真/平林美紀

あの人のおもてなしバトン 走者一覧へ

Facebookページに「いいね!」して、おいしいバトンの最新情報を受け取りましょう!