松浦さやかさん・さのみちよさんさんのおもてなしバトン

第十二走者

第十四走者 松浦さやかさん・さのみちよさんさん

2人は法多山尊永寺(袋井市)で開催されるコトコト市を2007年から主催。洋服やパンなど、良質な手作り品の発表の場となり、開催以来、つながりのある個人店や、会場となる法多山の協力のもと、地元のイベントとして定着するまでに。

コトコト市公式HP
シンプル雑貨アンジュール(松浦さやかさんのお店)
雑貨屋コレム(さのみちよさんのお店)

次回より「みらいへのバトン」として連載いたします。お楽しみに!

松浦さん・さのさんが選んだのは「和のソース」


小松由和さんからの
レシピとバトンが
さのさんセレクトの
籠にかわいらしく

二人の女性が始めたイベント 地域が誇る祭事に

静岡県袋井市。ここで、開かれる人気のイベント「コトコト市」。
ミシンでコトコト、お鍋でコトコトと丁寧な手仕事中に響く音をイメージして名付けられた。
こだわりをもって器や服、パンなどを作る人たちの店開きの場として2007年から始まったが、発起人はそれぞれ自宅で雑貨店を緩やかに営む二人の女性。
まさか3000人も集客するイベントの主催者になるとは思ってもみなかった。今や街で出会った見知らぬ人から「コトコトの人」と言われることも。
繋がりから広がりへの連鎖反応、支えてくれる人達の温かさを体験した二人。
今日は、コトコト市の仲間たちが法多山尊永寺の一乗庵に久しぶりに集った。
コトコト市主催の一人、松浦さやかさんが仲間の手作りパンと文右衛門蔵を使ったレシピで会に花を添える。


普段は入れない
一乗庵で、
ランチパーティ

アクセルとブレーキコンビがくり広げる世界

中学生の頃から抱いていた「おとなになったらお店を開く」夢を実現した松浦さやかさん。掛川市の自宅で雑貨店「アンジュール」を主宰し14年になる。
柔らかい白色やほっこりした形の器が並び、ここに憧れてやってくる人は少なくない。
もう一人、家を建てたらひと空間を使って雑貨屋をしようと思っていた女性、さのみちよさん。県外から掛川に引っ越してきた頃に、アンジュールを訪れ、松浦さんと意気投合。先輩にアドバイスを求めながら8年前に「コレム」を立ち上げた。
松浦さんの店は現代作家の手仕事もの、さのさんはブロカント(欧州の古道具)的なセレクト。テイストはそれぞれだが、好みの感覚が似ていることもあり、二人は姉妹のように仲が良い。
コレムを始めて間もない頃、さのさんが目にした東京の手作りイベントの楽しそうな記事。
「ここでも誰かやってくれないかなあ」とのつぶやきは、「やってみようかなあ」に変わり、参加店は松浦さんの人脈で打診。気がつけば、さの・松浦コンビがその「誰か」になっていた。
周囲はこの二人を「アクセル(さの)・ブレーキ(松浦)コンビ」と呼ぶ。猪突猛進タイプと慎重派の二人が物事を進めるのにいいバランスで関わり合っているそうだ。

名物住職の軽やかさも加わり市は加速

コトコト市は年に2回開催。3回目までは自分たちの店を舞台にやっていたが、参加店舗が8店に増え、 SNSがない時代、チラシと口コミだけにも関わらず、来場者も膨らんだ。
これ以上は近所迷惑になるかもしれないと悩んでいた頃、地元の誰もが知る法多山の関係者と出会った。
厄除け団子が有名で、昔から住民が馴染み深いこの場所は、広い敷地、人も集まりやすく、コトコト市にはもってこいだ。
「法多山も何かやりたいと思っているみたいですよ」との言葉を受け、大谷純應住職に勇気を出して相談すると、「本来、お寺は人が気楽に集まれる場所。どうぞやってみてください」と嬉しい返事が返ってきた。
歴史ある建築物の中で緊張しつつも、参加者や来場者にとって非日常を味わえる体験。コトコト市の発展は、自らイベントを楽しむ住職の軽やかさが加わることで加速したようだ。
普段から、開放感あるお寺にしていくことを試み、みんなから慕われる大谷住職。「寺主催の季節の行事だけでなく、こうやって和気あいあいと人が集えるのはいいことです。コンサートでもいいし、お寺をどんどん活用してもらえたら嬉しいですね」。


県外から訪れる人も
多くなったコトコト市


コトコト市のよき理解者、
大谷住職はファッショナブルな
眼鏡がトレードマーク。

繋がり広がる喜び

さのさんと松浦さんがコトコト市を開催するにあたり、大事にしてきたことは、「自分たちが共感した『丁寧な手仕事をしている人たち』と一緒に楽しみながら、輪が広がること」。
立ち上げからの参加者は、二人が惚れた味を出品し、一緒に楽しく頑張ってくれる良き仲間たち。
コーヒー豆専門店「まめやかふぇ」の濱小路仁徳さんと明美さん。
オーガニックレーズンからおこした自家製天然酵母のパンを作る「ロミパン」の村松宏美さん。
地元、静岡県遠州地方産の小麦粉や庭の果実を使って焼き菓子やジャムを作る「杜屋」の守屋洋子さん。
「分野の違う人たちと知り合えるのも楽しいし、仲間意識が生まれますね」とメンバーたち。

さて、久しぶりに法多山に集ったコトコト仲間。
松浦さんが文右衛門蔵の和のソースをアレンジして、地元、掛川豚を使ったサンドイッチをお披露目してくれた。
パンはもちろんロミパンの雑穀ブレッド。杜屋のジャムと焼き菓子が加わり、まめやかふぇの濱小路さんが、松浦さんのために配合したというアンジュールブレンドを淹れる。コーヒーのいい香りが漂う中、コトコトスタッフでお菓子作家の小山陽子さん、洋服作家の高橋美智子さん、大谷住職、法多山職員の内山田真さんも加わり、素敵なランチパーティが始まった。
法多山の中でもめったに入ることができない一乗庵で、美しい庭園を眺めながら、穏やかな空気に包まれたひと時。コトコト市のエピソードを交えながら会話が弾む。


コトコト市では朝から晩までパン作りに追われる人気のロミパンさん


「コトコト市に声をかけてもらい広がりました」と杜屋さん


コトコト市誕生は、さのさんがまめやかふぇで読んだ記事が源。こだわらないのがこだわりという店主の濱小路夫妻


愉快な仲間が集ったらやるしかないと、全員、文右衛門蔵片手に千手観音?ダンス。寺XILE誕生!


マヨネーズを多めに和のソースとあえる

コトコト市は心の一部

実は2014年の1年間お休みしたコトコト市。
コトコト市は参加店舗数50、来場者数3000人規模まで増え、また周辺地域でも、子育て世代の手作り市などコトコト市の影響を受けたイベントが増えてきた。
来場者や参加者が繋がり、袋井や掛川界隈が賑わっていくのは嬉しいことだ。
反面、喜びも、発見も悩みもやり続けたからこそ見えてくることがある。
突っ走ってきた14回を終え、思い切ってしばらく休むことを決意。
「周りからの期待もあり、どこまで応えられるか、毎回頑張ってきましたが、コトコト市が手作りからエンターテインメント的になってきたときに少し違和感を覚えたんです」とさのさん。
松浦さんも「自分たちが楽しくなくなるのは本末転倒。始めた時のコンセプトを見つめなおす原点回帰の意味にもなったよね」。

2015年4月26日にコトコト市の再開が決まった。
「実は、法多山に来るのは前回のコトコト市以来。境内を歩いていたら
涙が出てきて自分にびっくりしました」とさのさん。
全力を注いできたコトコト市は二人にとって、いつの間にか心の一部のような存在になっていたのだろう。
「コトコト市は私たちが好きだと思える手仕事のこだわりに触れてもらえる場です。1年ぶりなので期待の声も聞こえてきますが、今まで通りの気持ちでやります!」と、15回目の開催準備に取り掛かっている。
(*2015年からは年に一回の開催予定)

「掛川豚のサンドイッチ」(1人分)

☆材料
好みのパン 2枚
レタス 1~2枚
薄切りの豚肉 2枚
大根 少々
塩 少々
マヨネーズ 大2
和のソース 大1

☆作り方
1)豚肉は茹でておく
2)大根は千切りして軽く塩もみ。水分をしぼる
3)和のソースとマヨネーズをあえる
4)パンに3のソースを塗る
5)4にレタス→肉→大根→ソースの順に重ねてはさむ

*きゅうりやニンジン、紫蘇、バジルなどで具のアレンジもOK


和のソースの甘みとスパイスがマヨネーズと絡み、あっさりした豚しゃぶにベストマッチ

「文右衛門蔵 和のソース」はいかがでしたか?

ネーミングをみて、もっと和テイストをイメージしていましたが、甘みもしっかりあるんですね。今回マヨネーズと合わせ、タレのアレンジとして相性がいいと思いました。

「文右衛門蔵でおもてなしをどうぞ!」

コトコト市のメンバーから、繋がるハッピーの源をお渡しします~!

14回目の今回で「あの人のおもてなしバトン」は終了します。
お読みいただき、ありがとうございました。
次回からは「みらいへのバトン」として連載いたします。
こちらもどうぞお楽しみに!

取材・文/山本詩野 写真/平林美紀

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